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ウッシーのコラム

不肖の巻

2015年12月27日

寒い寒いと言ってはみても、昔に比べれば随分と冬も温かくなった。
かつては、こんな年の暮れにもなれば夜は凍て付き、底冷えの部屋に白い息が躍ったものだ。
朝になれば、表のバケツの水は月白に煌めいていた。
畦道の霜柱は足踏む度に音を鳴らし、それが静まり返った田んぼに吸い込まれていく。
大きく息をすれば、水晶のような、もう何の混じりっけもない空気が頭の芯まで届く。
滅多に雪の積もらぬ田舎町独特の、長く空空しい冬の生活は
驚くほどに静かであって、平遠の春をただじっと待ちわびるだけである。
ただ跌宕と毎日を過ごすことにとてつもない恐れを感じ
その度に「こんな田舎はもう真っ平だ」と憤慨しては都会に憧れたものだ。
いつからこんな不肖になってしまったのか。
離れてようやく分かることもある。
年明けぐらいは田舎へ帰ることにしよう。