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ウッシーのコラム

露寒の巻

2015年12月04日

冬の匂いがしている。
晩秋は眇々と時を刻んで、長い冬の気配にゆっくりと身をひそめていく。
都会の喧騒の中にも、季節の移ろいというやつは確かにあるものだ。
小さいながら懸命に街色を変えている。
田舎にいたころは、目に見えて世界が変わってゆくのを体感できた。
野山は茜色に染まり、鳥威が侘しく揺れる刈田に夕日が映える。
閑散としていながらも、どこか温かく人情じみた風景がそこには広がっていた。
寒くなるにつれ、街色は温かく変わってゆくのだ。
露寒の朝に、ふと郷愁に駆られ立ち尽くす。
その憂苦にも似た感情は、かつての風景に重なり、感傷へと変わっていく。