JUG A BILLY CATS

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ウッシーのコラム

7月の巻

2015年07月03日

無機質な町並みに
紫陽花が彩りを宿してゆく。
その端正な肉弁には、雨の粒が宝石のように煌き
雲間の薄い陽光を留めている。
それが熾盛な生命感を生み
この灰色の鈍重な世界で一際浮き立って見える。
微睡みにたゆたう薄倖。
気付かぬうちに流れ去る欣幸。
いつかこの世から消え去ってしまうことの不安よりも
誰かが自分の前から姿を消してしまうことの方が妙に吃緊で
地の果ての遠雷を見るように
まだ来ぬその日に小さな怯えを隠し切れずにいたりする。