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ウッシーのコラム

宇宙の巻

2015年03月05日

16歳の冬。
私は太平洋のど真ん中にいた。
船の後部甲板に立ち、初めて世界を見た。
見渡す限り水平線。
そこには海と空しか存在しない。
視界を遮るものは何ひとつなく
雲の一片さえ見当たらない。
それはそれは豪然とした世界を前に
自分の体重さえ感じない。
広闊の果てに消えていく白波と
明澄の中を吹き抜ける潮風だけが
私の存在を小さく色づける。
一旦陽が落ちると
漆黒の世界に眩しいほどの星屑が散らばっている。
まるで宇宙空間に浮いているようで
上下左右もない。
あの景色をもう一度見たくて
悶々とした日々を送っている。