JUG A BILLY CATS

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ウッシーのコラム

余韻の巻

2014年11月29日

旅の余韻は女の残り香のようになかなか消えずにあって
夢の覚めた後のような虚しさと温もりが胸の底を埋めていく。
指先を遊ばせながら旅愁の痕跡を思い返す夜の侘びしさに
何とも言いようのない感慨を覚えてやまない。
まだ秋の気配を残した11月の風に囚われて
凍える冬の寒さに身構え、長い夜を独り明かす。
別段に待ち侘びるものなどあるわけでもなく
長い旅路の旅客のように時間を弄ぶ。
しばらく旅に出たいものだ。
蒙昧な日々ではないが、新しいものに触れたいと願う毎日。
五感がピリピリと緊張する、あの言いようのない刺激は
この日常生活ではなかなか味わえないものである。
もちろん、日常において新しい刺激を見つけ出すことも可能だが
言葉も通じず文化も違う国外へ一人身を投げ出す方が手っ取り早い。

再会の巻

2014年11月26日

半年ぶりに訪れた北海道はすでに真冬の寒さに包まれていた。
凛と冷えた空気を深く吸い込むと北国の大地の息吹を感じるようだ。
この数年で随分と仲良くなった若葉。
初めて共演したのが沖縄で、意気投合するのにそう時間はかからなかった。
同じくこの時に初共演したのがジャックザニコルソンズ。
それが今度は北海道で再共演ということで、何とも感慨深いライブになったわけだ。
案の定、暴飲暴食で身体が重い。
その上ろくに寝ずに遊んだため身体のあちこちが痛い。
まだまだ若いのに情けないものだ。
もっと鍛錬せねば。

しじまの巻

2014年11月22日

冷たい夜のしじまに凭れて、いつかの過ちを思い返したりする。
忘れてしまえばいいのに、なぜかいつまでも胸の奥底に居座り続ける。
随分と古い記憶も、つい昨日のことのように色褪せずそこにあって
胸の奥を掴まれたような、なにか狭窄するみたいな感覚が
不快なようでもあり心地よくもあったりする。
動かぬ山が車窓を流れていくのと同じで
静寧のように思えるこの時代も
一歩引いて見てみればそれは動乱に変わりはない。
世俗から離れて隠逸したとしても時の流れは止められぬ。
一日、一分、一秒
ついさっきまで眼前にあったものが瞬く間に走り去っていく。
振り返る余裕もなければ、それを追いかける暇もない。
握った手をすり抜けるように、音もなく離れていく今を
ただ静かに見送りながら、常々に訪れる新しい未来を受け止める。
終わった恋のように未練たらしく、それでいて新鮮でもある。
人それぞれ生活環境は違えども
時間だけはいつだって平等で在り続ける。
平等にやってきて平等に去っていくのだ。
結局人生なんてものは、この時間を浪費することでしかない。
どうせ浪費するならば、寝て過ごすよりは動き続けたいものである。

時代遅れの巻

2014年11月21日

街がひっそりと色移っていく。
変わりゆく世界と変わらぬ想い。
時代遅れなロック魂を燃やして、この阿漕な世間を生きる。
生きにくい時代だと人は言うが
時代のせいにしてしまうのは実に簡単なものだ。
社会の粗悪を取り上げ、自身を正当化するのは見窄らしくて芸がない。
長く生きていれば、恨みを買うこともあるし敵も増える。
人から好かれようとする場合、嫌われることも厭わない気概が必要である。
世の全人から好かれることなど有り得ないのだから。
ところが人は人に嫌われることを最も恐れ
同調を望み、反感を避けて過ごしている。
無論、余計な諍いなど無いに越したことはないのだが
わざわざ他人様の顔色を伺って生きるのも息苦しい。
もっと自分らしく生きればよい。

冬の町の巻

2014年11月18日

仄暗い冬間近の空が街を見下ろしている。
その抑揚のない寂しさに息を呑むように
滞りなく過ぎ行く月日に思いを巡らせる。
膨大な追憶の前では日常の出来事など小さく霞んでしまう。
それほどに人は過去に縋って生きていると言える。
『今が一番大切だ』とは言ってみても
結局はすべて過去の上に成り立っているのだから
そう簡単に蔑ろにして『無かったこと』にしてしまうのは愚の骨頂だ。
過去というのは自分が今まで懸命に生きてきた軌跡なのだから。
誰であっても過去を美化するものだ。
わざわざ他人の過去を詮索して問い詰めるほどの暇人はいないし
自身の痛々しい過ちや醜態を晒す必要もないだろう。
しかし、どんな過去にせよ全ては自分自身の足跡であることを忘れてはいけない。
すべて受け止め、未来に生かさなければ意味がない。

曇天の巻

2014年11月10日

なんだか物思わしい曇天。
人と会うことに気疎さを感じる時もある。
素っ気なく返した言葉の棘が自分に刺さったようで心疚しい。
面と向かって言うのは気持ちが悪いが
自分のために時間を割いてくれる仲間には感謝である。
おかげで毎日が楽しく、非常に充実している。
小さな田舎町に生まれ、恙無く平凡に暮らしていた私が
いつしかたくさんの人間と出会い、時間を共にし、こうして生きている。
面白いものだ。

一歩の巻

2014年11月03日

秋霖も過ぎ、もう暫くすると本格的な冬がやってくるのだろう。
騒ぎ立てていた街の喧騒が、雨足のように小さく消えていくのを
ぼんやりと遠くから眺めている日々に叙情めいた寂しさを覚える。
まるでシナリオのように変わっていく季節。
そしてシナリオのようにいかぬ人生。
何に憂うわけでもなく、何に怯えるわけでもなく
泡沫の日々に流されぬよう、埋もれぬよう躍起に進む。
人生というのは面白いものだ。
時間を退屈に持て余すのは勿体無い。
非生産的に浪費するのもまた同じ。
いつ死ぬか分からぬ人生、迷っている暇などなし。
行動あるのみ。

招待の巻

2014年11月01日

元来より超絶な人混み嫌いの私が
なぜハロウィンの真っ最中にアメリカ村のど真ん中に居たのかというと
Gamblers Markのジャパンツアー大阪をサポートするためだ。
サポートだなんて、まるで偉そうな言い方になってしまうが
せっかく大阪まで足を運んでくれるのだから
たとえ平日といえど温かいオーディエンスで迎えたかった。
何より、彼らにとって大阪がツアー初日でもあったし
全公演を最高のテンションで駆け抜けてもらうためにも
我々大阪チームが一丸となって対バン&サポートさせてもらった次第だ。
ライブは言うまでもなく最高にクール。
ボーカルのデイブはタトゥーだらけで絵に描いたようなロックンローラーだ。

スペイン系アメリカ人と言っていたっけ。
顔つき、髪型、服装、どれをとってもハロウィンから飛び出てきたようなキャラである。
とにかく歌が上手い。
『やっぱ英語うまいなぁ』なんて素っ頓狂な感想が出てくる始末。
みんなフロアのジャパニーズレッキンに終始ご機嫌の様子で
なかなかいい夜になったのではないだろうか。
The Starlite Wranglersの兄さんたちにも久しぶりに会えたし
改めてロカビリーサウンドのかっこよさを再認識する日になった。
私のブロークンイングリッシュの通用性を確かめるためにも
打ち上げでたくさん喋ろうかと思っていたけど、待てども待てども誰も来やしない。
旅の疲れもあってホテルで撃沈していたか
それとも彼女とメイクラブinジャパンしてたのか。
とにかく
オフ日なしのツアーだし、体調崩さずに続けて欲しいところだ。
グッドラックフレンズ。