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ウッシーのコラム

踏青の巻

2014年03月27日

踏青に薫る風を思い出す。
若き頃、新緑を抜けてきた風はいつも春の匂いを含んでいた。
あの何とも言えない大地の伊吹を深く吸い込み
長い冬の終わりをゆっくりと噛み締めたものだ。
忙しない毎日に埋もれていた『田舎に引っ越したい願望』が
最近になってまた猛烈に沸き起こってきている。
別段に都会が嫌いなわけではないのだが
田舎の暮らしぶりを拝見すると『あぁ、いいなぁ』と心底そう思うのだ。
18年間、集落のような町で過ごした私にとって
どうしたって体の芯から都会人になることはできないようだ。
田舎気質が染み付いている。
今でも『車で30分』は『近い』と感じるが
都会の人間に聞くとそれはおかしいと言われるのだから
私の中の距離感というものが随分と田舎の感覚のままで止まっているようである。
何よりも写真や映像で田舎の光景を見るたびに
骨の髄から滲み出るような懐かしさを覚えるのだ。
特にこの春から夏にかけては、その感情が一際大きくなって私を覆い尽くしてしまう。
その押し寄せる感傷に耐え切れず時間を見つけては車を走らせるのである。
あぁ田舎に行きたし。