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ウッシーのコラム

平和の巻

2014年02月17日

旻天を懐かしみ昊天を待ち侘びる。
長い冬の空は釘色のように冷たく鈍く広がって
東の果てから世界を飲み込むとたちまち闇へと姿を変える。
今更になって陽の短さに慌てふためくのも素っ頓狂ではあるが
ふと気が付けば街灯がオロオロと揺れだして
足早に家路を急ぐ人々の姿を目で追いながら
あぁ、自分もいつか誰かの待つ家へと帰る日が来るのだろうかと
まるで遠い夢でも想うように、どこか他人事な侘しさを感じるのだった。
昼が長いか夜が長いかで人の生活というのは随分と変わるものだ。
暫く外が明るければいつまでも出かけていたい気分になるし
長い夜のときは早めに家に閉じこもり映画でも観ようかという気分になる。
夏には夏の、冬には冬の過ごし方というものがあって
別段に陽が短いからといって損を食うわけではない。
冬は陽が短い分、夜が長いだけのことである。
諍いさえ立たぬ独りの日々に悶々とし
漠然と幸せを見出そうと有りもしない色恋沙汰を思い浮かべては街に繰り出すものの
拾う価値もない世の無情に疲弊して帰ってくる。
あぁ今日もすこぶる平和である。