JUG A BILLY CATS

BLOG

ウッシーのコラム

ノスタルジーの巻

2013年11月07日

物静かに揺蕩う秋の暮れの落陽は、真っ赤に焼けた石のように今にも轟々と音を立てて火の粉を飛ばしそうだ。
冷えた夜に沈み込んでいく下町を、似合わぬ口笛を口ずさみながら闊歩する。
自宅から5分ほど歩いたところに、えらくくたびれた商店街がある。
セピア色に古ぼけた街灯がいつも寂しく足元を照らしていて
遠い温泉街にでも来たような、そんな人情深い旅愁が私を駆り立てるのだ。
どこか懐かしさを含んだ感情がスッと走り去っていくような気分になって
それはまるで幼少の自分の後ろ姿のように追憶となって駆け抜けていくのだった。
懐かしい景観を前にすると、気持ちのリセットが出来る。
記憶の引き出しは、たまには開けてやらないと錆び付いてしまうことだろう。
たまにはノスタルジックの中に身を預けてやるのもよい。
普段のどこか引きつったような感情が次第に解けてゆくのが分かる。