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ウッシーのコラム

日長の巻

2013年04月26日

陽の長くなった頃合というのは随分と感慨深いもので
西の空の眩しさと東の空の仄暗さとが何とも奇妙に相まっては
愈々訪れる夏の始まりに心躍らされるものだ。

鋭く頬を拭っていた夜風も段々と丸みを帯びてきたようで
緊張にも似た一抹の喜びが思慮を駆り立てるのであった。

どこか無機的で、どこか観念的な季節の移ろいに惑わされて
大地の息吹に同調した何かに心を奪われてしまう。
スーっと鼻の通るような心地のよさに似ていて
心の奥底に澱んだ陰惨な感情の欠片でさえも
それに混じって淡く麗らかに流れ出てしまうのだ。

そんな姑息な夏の兆し、夏の足音の近づくのを
毎年毎年幼子のように待ち侘びては浮き足立っているのである。

春夏秋冬というの は生き物の一生の縮図であって
春夏秋冬それぞれの中にもまた春夏秋冬があるといえる。
花が咲いては散るように、それは生と死の刹那の重なりである。
どれだけ自身の人生を懐疑してみても結局は咲いて散る運命なのだから
人間らしく生きるというよりももっともっと幼稚で本能的な生き方の方が
生き物らしい生き方だと言えるのかもしれない。