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ウッシーのコラム

煩雑な日々の巻

2013年03月19日

煩雑な日常に躓き嘆いている大人が
『あぁ、昔に戻りたい』と呟いている様は
あまりに滑稽であり、あまりに切実でもある。

誰しもが早く大人になりたいと願ったあの日に
敢えて戻りたいと願うその心情は至って簡単だ。
『楽しかった』からだ。

将来の幸せのために推敲し築き上げた人生が
なぜか少年時代の何でもない日常の前では霞んでしまう。
そりゃあ、詭弁で誤魔化した人生など少年時代の夏休みのうちの一日にも及ぶまい。

無論、自身の少年時代を恨み
パンドラの箱にでも押し込んでは過去ごと消し去ってしまいたいと願う大人もいることだろう。
しかし大抵の大人は自分の少年時代を羨むのである。

しかし、他人の幸せを羨むのは至って普通だが
自分が実際に過ごした日々を羨むなど何とも滑稽ではないか。
『何がそんなに楽しかったのか』と問われると誰だって答えに困るのだ。
ただただ、楽しかった。

記憶というのは時間とともに美化されるものではあるが
そんなマネーロンダリングのように都合よく綺麗に書き換えられるものか。
いくら遠い日の記憶とはいえ
楽しかった日々は確かに楽しくそこに存在していたのだ。

ということは『今 』という時も
いずれは『昔』に変わるわけである。
20年後にはきっと『あぁ、昔に戻りたい』なんて思うはずなんだから
それならば、たった今、20年後から戻ってきたと思えばいいじゃないか。
過去は変えられないが、未来なら変えられるのだ。